君と逢える約束の場所 Chapter3
父の研究所
たける「父さん、来た…」
父 「オーウ!よく来た…」
たける「同じセリフ 二人共。」
父 「何…同じこと?誰が?ああ、竹本か…。長く友達やってるから、似たのかな…。」
父 「ところで、どうだったんだ。校長先生との話は…。」
たける「なんか苦しみの世界だって…。」
父 「そうだな…(ためいき的)強い現実感と分離感は世界を覆ってしまっている…ということだ……」
父 「まぁ座れ。特殊な水で淹れた最高のコーヒーでも飲め…」
たける「何…」
父 「ここの水はすべて特殊な方法でプラズマ化したものなんだ…。」
たける「それはどういう意味?」
父 「まぁ飲んでみろ!…」
たける「ウン…」
たける コーヒーを飲む
たける「まぁなんかスッキリしてる」
たける「ここにある見せたい秘密のものって何?」
父 「まぁそう焦るな…父さんの難しい話を聞いてからだ……。」
たける「ふ~ん」
父 「まず、水で言うならプラズマとは、第4の状態なんだ。固体、液体、気体、もうひとつの状態。それを昔の人はエーテル的、素粒子的とも呼んだ。心霊的事柄も実はその状態のことだ…」
父 「生命の秘密とでも言える。興味あるかい?」
たける「もちろん……」
父 「この水は雷の7倍近いエネルギーで原子核+と電子の-がバラバラと自由になったものなんだ。もう、実は科学的には水ではない…」
たける「心霊的になったということ……」
父 「そう言っても間違いじゃない…今まで第4の状態を人類は知らなかったんだ。量子力学がこれから世界を変えてしまうのは、そのためと言っていい…」
たける「父さんはその秘密をおじいちゃんから聞いて、学者になったんだ…」 たける「科学者が逃げるのはそのため…?本当のことを言っても、誰も信じないから…?この世でない。この世界が心霊的世界だったということ……」
父 「そうだ。私もだから地下に潜ってこの研究所を作った。おじいちゃんの遺してくれた遺産でね…」
たける「でも、ニューエイジや宗教の人も似たこと言ってるよね…。」
父 「かまわない。彼らが何を言っても、誰も現実じゃないなんて信じないからな…この分離社会は、苦しみの世界はずっと続いてゆく…。」
内田(女友達 学友) 急に入ってくる。たけるに剣幕
内田 「オマエや!現実感は!」
アップ
内田 「何時間待たせるんや!大切なデートやろ!1時間も待ってきやせん…!」
たける「そうだ 忘れてた。すまん。父さん、学校の友人の内田君…」
父 「そうか…こんにちは…」
内田 きちんと頭下げてペコリ
内田 「恋人の内田です…なーんて、それは私の望みです。」
父 「ああのぞみさん…」
内田 「ちゃうわ!お父さんおもろい!」
たける「内田は去年神戸から引っ越してきたんだ。意見がいつも合うので…
ちょっと向こうに行こう…」となりの事務所に向かう二人。歩きながら
たける「本当にすまなかった…学校のことで聞きたかったんだ…。」
内田 「まぁええわ」
戻ってくるたける
たける「父さん、内田帰ったわ。」
父 「大丈夫だったか。すっぽかし……」
たける「まぁなんとか…。それより続き…」
父 「そうだな…。想念で素粒子はできてる…。そしてそれは一体であることを科学的に示している…たぶん…」
たける「神の夢…」
父 「そうだ…一者の夢のような世界であること…。古代の人もそのように伝えてる。武士たちも一元に帰すと…じいもいつも言ってた。すべては夢。ひとつ、一人の夢。物質に見える映画のような想念の夢だと。すべては実在しない、愛の夢と…。それこそが科学的真実だ…古代の科学は間違いなくプラズマ量子学をこえていた…。」
たける「プラズマがその世界を開けてしまう…鍵…」
父 「そうだ。非現実こそが、現実…。人類は知り得ない。物質、分子の世界でしか腐食酸化は起こらない。真実の世界では死はないんだ…。」
たける「反重力、テレポーテーション、タイムワープ、テレパシー、サイキック、夢の中ではすべてが可能…。宇宙の果ても瞬時に…夢の中だから…。そう?…」
父「そうだ…しかし…プラズマの状態はある意味電気的にもたやすくできるのだが…。昔、テスラの電磁コイルを使い、米軍がミスった。それは計算ミスというどころか、現実だと思った世界の中だと信じて…。しかし、そこは霊的世界だった。そこに入ったら最後、制御できなくなる。それには本当はシディーのテクノロジーが必要だ…。想念が現実化する。何をするか。したいか。明確な意思。想い。どこへ行くかが大切になる。最新の戦闘機と同じ、操縦桿がない。想念があらゆるものを制御する…。」
父「ただの考えと深き確信は違い、深層心理がキーとなる。深き想いは、物質化する…」
たける「それは大変だ…大変難しいことになるね…。ネガティブだから人類は…。それが現実化…。」
父「そう。それのつながりを集合意識、確信とも呼ぶ。人類が物質映画を創れる…」
父「1万年前の、まだエデンを出たばかりの平和な世界へも行ける…」
父「行ってみるかい?」
たける「行きたいです…」
父「それには少し訓練がいる。この世界が現実と呼ぶ物質世界でないことを感じる能力。それと強き深き意思、操縦力だ。逆説的制御力…」
たける「やりたいです……」
たける「父さん。ということは、人類がなぜ苦しんでいるのか。いや、みんながつらいのは…」
父(さえぎるように)「そう…分離。そしてそこからの現実感だ。死への恐怖。それこそが愛の楽園を出てしまった人類、物質の、分子の世界を、人間の想念、集合意識が、作ってしまったそのわけだ…。父はそれを研究してきた…。おまえのおじいさんも、ひいおじいさんも…」
たける「愛とは一体のこと。すべてが本当に科学的にひとつであるということ…。それを失って、自我、いや分離したってことだね…。」
父「そうだ。た・け・る……」
父「友達が苦しいのも、大人たちがつらいのも、すべて素粒子的永遠の命。永遠の愛(ひとつ)を失ってしまったからなのだよ…。本当はとわに愛の中、永遠にすべてのものは生きるのだよ。それが本当の科学が見つけたものなんだ…。」
父「自分の大学の友人が、同じ科学者だが、瞬間接着剤を作り、がんで若くして死んだ…彼が最期に言った。『世の中に騙された…。本当の科学は愛だった……。』と…。」
たける「父さん、大事なことはすべて理解したよ…。」
父 「たける、必ずそこに行けるという確信が必要だ…もしお前が本当に、その本当の真実の世界を見たいのなら…。」
父 「そして大切なことのひとつ。ゆえに素粒子は創造者の夢、
いや、その想念であるゆえに、エントロピーの法則外であり、
科学的に腐食酸化せず、ある意味、とわに永遠だ…
それから、宗教的にあえて言うなら、すべてが想念、実在でないゆえに、
分子化するためには言葉が必要で、それも深き確信を帯びた分離力、言葉の名づけ、意味、意識を向けることがいる。また、変性意識の中での確信が物質を強固にする。
逆に、意味のない音。宗教ではマントラ、真言と呼ぶが、それによって素粒子的想念に回帰する傾向を帯びる。そして、想念を確信すれば、物質化が即されるというわけだ…」
たける「だとすると、分子である肉体が腐食して、僕たちが死と呼んでいるものが起きても、本体である素粒子的本当の生命は、死なずに生きれるということだね…」
父 「まぁそうだが、自我や分離が妄想であるため、元から分離や自分は存在しないんだ…。分子もそう見えているだけなんだ。」
たける「ある意味、創造者、ひとり、一者であるということだね…」
父 「そうなんだ…だから、伝えるのには難しい…」
たける「だから、すべての人が無我が本質であり、一体が真実であり、愛であるのだね…」
父 「そうだ、たける。だからこの世界に私という、自我も、死と呼ぶ、腐食酸化もこえた、真実が背後に眠っている。お前はその真実、実体世界に入ることとなる…」
たける「だから、分離を確信したり、愛を疑う行為には目覚めのためのバチや罰すること、滅びが起こってくるんだ…」
父 「そのとおりだ…愛の一者の想念の中、分離による、争いや戦いは、
仲間同士、一体同士の誤作動とみなされ、創造の主体である人の本質、
要は原子は電子を乱し、知らせ、試みようとするようで、
それが強きメッセージとなるようにうまくできている。
まるで分身たちの愛の自己制御のようにガン細胞は、
その修復機能の失った細胞とみなすことができるだろう…」
たける「やっかいだね。人類、今ここ…これから…」
父 「そう、そのとおりだ…
人類は分離を確信しているゆえに、恐れの中にいる。
そして、それが集合集団の意識となり、現実を創っている…」
父 「あらゆるものが創造主体の一部であるゆえに、その細胞のような働き。現れ。
分身であるゆえに愛(一体)の法則の中に縛られていると言ってもいい…」
たける「あらゆる人が自らを知らずしらず罰していると言えるんだね…
分離…戦い、争い、それも恐れのために…」
父 「だから、たける。これからお前が行く世界、プラズマの中は、
創造主体の想念、いや、夢のような物質映画の霊的状態の中へと旅立つんだ…」
たける「でも、分子の物質化されたこの世界も、
元はプラズマの世界の凝固された世界にすぎないよね…」
父 「そうではある……」
それから数時間、壮大なロマンスペクタクルな父からのレクチャーを受けた…。
様々なものも見せられた。
プラズマにする装置も、父の生んだ様々な機器を…
僕はたじろぐ自分と、強く愛へ還りたい想いに駆られていた…
これから1週間は訓練が続く。
そして、1万年さかのぼり、僕は本当に、
まだ半分しか物質密度のない世界へと旅立つのだ…